2025/05/23 08:15
セッコクの高芽取りは株を増やす絶好のチャンス。最適な時期や失敗しない取り方、育て方のコツまでわかりやすく解説します。
セッコクとは？
まずは、セッコクがどんな植物かを簡単に紹介しますね。
セッコク（石斛）は、日本、中国、韓国などに広く自生している蘭科デンドロビウム属の多年草です。
細長い茎と小さな葉を持ち、花色が豊富です。
花は香りが強く、開花時期は春から初夏にかけてです。
自然界では主に日当たりのいい場所で、木や石に着生しています。
園芸品種も多く、斑入りの葉や覆輪花など、さまざまなバリエーションが楽しめます。
派手さはないけど、小さなかわいい花と甘い香り、コンパクトなので置き場所を選ばないこと、和風の庭にもよくなじむ株姿などで、人気も高い植物ですよ。
比較的寒さに強く、丈夫で育てやすいので、初心者さんにもおすすめです。
「高芽」とは？
高芽というのは、本来なら花芽になるはずだったものが、花芽として成長できずに新芽になってしまったものです。
つまり、一種の成長不良と言える状態です。とはいえ株を増やすという点ではお宝なので、捨てずに有効利用してくださいね。
高芽ができる原因として考えられるのはいくつかあって、はっきり特定するのは、むずかしいけれど、置き場所や水やり頻度などの栽培環境によるもの、老化などの生理的なもの、チッ素成分の与え過ぎなどが主な原因のようです。
セッコクの高芽取りのメリット
あまり手間をかけずに、株を増やせる
高芽を育てて、株を更新しておくことで、病気や老化で枯れてしまった時のダメージを軽減できる
好きな品種を増やすことで、育成の楽しみが広がる
セッコクの高芽取りに最適な時期は？
高芽取りに最適な時期は、花が終わった直後、4～6月です。梅雨入りまでに済ませるのが理想なので、早めに作業してくださいね。
高芽の取り方｜手順と注意点
高芽取りは、発根を確認してからおこなってください。
時期に余裕があれば、根が伸びてからおこなうと失敗が少ないです。
根をつけた状態で、高芽を根元で切り取って湿らせた水苔を巻き付けたら、鉢に植えてください
取り外しは手でおこなってもかまいませんが、無理な力を加えるとダメージを与えてしまうので、無理なくはずれない場合はハサミを使ってください。この時、使用前に必ず、アルコールなどで消毒してくださいね。
切断面には殺菌剤を散布しておくと、感染予防になります。
鉢に植え付けたら、2～3日は風通しのいい、やや日陰でなじませてあげてください。そのごは、通常の管理で大丈夫です。
すでに発根しているので、過湿にならないようにすることが大切です。
必要な道具
水苔
株分け、高芽取り、矢伏せすべてに必要です。
素焼き鉢
特に高芽取りでは、水管理がしやすい水苔と素焼き鉢の組み合わせがおすすめです。
株分け、矢伏せでもおすすめです。
株分け、矢伏せでもおすすめです。
ハサミ
株分け、高芽取り、矢伏せすべてにおすすめです。
よくある失敗例と対策
■葉が数枚出始めたばかりの小さな高芽を見つけ、すぐに親株から取り外してしまった。
対策: 高芽はある程度の大きさになるまで、親株で養分を吸収させるのが大切です。根が2～3cm程度に伸び、葉がしっかりと展開するまで待ちましょう。小さすぎる高芽は、独立して生きていくための力がまだ十分に備わっていません。矢伏せの手法で、根を伸ばしてから植え付けましょう。
■植え付けたばかりの高芽を、すぐに強い直射日光の当たる場所に置いてしまったら、葉が焼けてしまった。
対策: 植え付け直後の高芽は、まだ環境に慣れていません。直射日光を避け、明るい日陰で管理しましょう。徐々に慣らしていくことはできますが、最初は優しい光の当たる場所で育てることが大切です。
■室内の日の当たらない場所に置いて管理していたら、高芽がひょろひょろと伸びてしまい、元気がない。
対策: セッコクは風通しのいい場所を好みます。直射日光は避けつつも、明るく風通しのいい場所で管理しましょう。風通しが悪いと、病害虫が発生しやすくなったり、生育不良の原因になったりします。
よくあるQ&A
Q. 高芽はどのくらいの大きさになったら取っていいの？
A. 高芽の葉が2～3枚以上あり、根が2～3cm程度に伸びていれば、取り外しても大丈夫です。あまり小さいうちは活着しにくいので、充分に育ってからにしましょう。
Q. 高芽を取った後、水苔以外で植えてもいいですか？
A. はい、水苔以外にも、バークや軽石などで育てることもできます。ただし、高芽は乾燥に弱いため、初心者の方には保水性のある水苔が安心です。
Q. 高芽から育てた株は、いつ花が咲きますか？
A. 高芽から育てた株が開花するまでには、通常2～3年かかります。株が充実してくると自然に花芽が出てきますよ。
まとめ
セッコクの増やし方の1つとして、高芽取りを紹介しました。既に発根している状態のものを使うので、植え付けた後は通常通りの管理でOKです。
お気に入りの花を増やして、栽培を楽しんでくださいね。
その他の株分け・矢伏せも含めたセッコクの増やし方についてはこちらの記事を参照ください。
