2025/03/23 19:23
セッコク(石斛)は、初心者でも比較的育てやすく、美しい花を咲かせる人気の着生ランの一種です。自宅で株を増やして楽しみたい方も多いでしょう。
セッコクを増やす方法には、「株分け」「挿し木(矢伏せ、高芽取り)」「実生(種まき)」の3つがあり、それぞれの方法に適した時期や手順があります。特に株分けや挿し木は成功しやすく、初心者さんでも挑戦しやすい増やし方です。
この記事では、セッコクの増やし方を詳しく解説し、成功のポイントや管理のコツをを紹介します。初心者さんでも安心して取り組めるように、わかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
初心者向け株分けでセッコクを増やす方法
株分けにおすすめの時期
花が終わった後の4月~6月が適期です。梅雨前に済ませるようにしましょう。
株分けの手順とコツ
株分けする株は、花を咲かせるまでに成長したものであることが前提です。株を鉢から抜き、株の大きさに応じて、2つ~3つに分けます。手で分けてもかまいませんが、無理に分けないようにしましょう。手で分けられない場合は、根やバルブへのダメージが大きくならないように注意しながら、ハサミなどで切り分けましょう。
それぞれにバルブが5本以上あるようにし、細かくしすぎないようにするのがポイントです。
植え替えと同時におこなうと作業をまとめて行えて効率的です。
矢伏せでセッコクを増やす方法
矢伏せにおすすめの時期
花が終わった後の4月~6月が適期です。
矢伏せの手順とコツ
矢伏せとはセッコクのバルブ(矢)を切り取り、水苔などに伏せることで高芽を発生させる方法です。
充実した矢(2~3年目のもの)を選び、株元から切り取ります。
切り取った矢を数節ずつに切り分け(切り分けなくても可能)、湿らせた水苔の上に横向きに置き、矢の節が埋まるように軽く覆いましょう。
明るく風通しのいい場所に置き、水苔が乾かないように管理するのがポイントです。
高芽取りでセッコクを増やす方法
高芽取りにおすすめの時期:花が終わった後の4月~6月が適期です。
高芽取りの手順とコツ
高芽とは、本来花芽になるはずのものが、何らかの理由で芽として成長したものです。高芽はやがて発根します。発根したら、そっと根元からとりはずし、湿らせた水苔で包み、育てましょう。
植え付ける鉢は、包んでいる水苔が収まる程度の小さなものがおすすめです。
増やしたセッコクの管理と育て方のコツ:矢伏せの場合は、発根するまで水苔が乾かないよう注意しましょう。
高芽とりと株分けの場合は、通常の育て方同様、日当たりと風通しのいい場所で、過湿にならないように管理しましょう。
よくあるセッコクを増やす際のトラブルと対処法
いずれの場合も、切断面から感染を起こす可能性があるので、ハサミなど切断に使用する道具は、作業前に消毒し、切断面には殺菌剤を散布しておくとトラブルの予防になります。
矢伏せしたものが発根しない原因は、主に2点あります。
1点目は、使用したバルブが古いか未熟な場合です。
2点目は、セッコクが病気に感染していることが考えられます。作業前によく観察し複数のバルブで試してみましょう。
矢伏せが発根するまでには時間がかかります。また、品種によって発根までの時間や成功率が異なりますので、根気強く待つことが大切です。
セッコクを増やすのに必要な道具
株分けの場合
栽培環境や好みに応じた植え込み剤と鉢(水苔、バーク、素焼き鉢、プラスチック鉢など)が必要です。
高芽取りの場合
水管理がしやすい水苔と素焼き鉢の組み合わせがおすすめです。
矢伏せの場合
水苔が敷きやすい平たい鉢やトレー、水苔、ハサミが必要です。
セッコクを増やすのにおすすめの道具をご紹介
水苔
株分け、高芽取り、矢伏せすべてに必要です。
素焼き鉢
特に高芽取りでは、水管理がしやすい水苔と素焼き鉢の組み合わせがおすすめです。
株分け、矢伏せでもおすすめです。
株分け、矢伏せでもおすすめです。
ハサミ
株分け、高芽取り、矢伏せすべてにおすすめです。
スリット鉢
矢伏せに必要です。
おすすめスリット鉢はこちら
バーク
バークは、株分けの際に使って下さい。
プラスチック鉢
株分けの場合に使って下さい。
まとめ
以上、セッコクの増やし方と注意点を解説しました。お気に入りの花を増やすのは、セッコク栽培において楽しみのひとつです。
自然のものなので、必ずしも成功するわけではありませんが、あきらめずに挑戦しましょう。
増やした株はご自身で楽しむ範囲にとどめることをおすすめします。
法規制などの観点から、メルカリやヤフオクなどでの販売は避けた方が良いでしょう。