2025/01/30 17:25
デンドロビウム属は東南アジアを中心に、日本や中国、ニューギニア、オーストラリアと広く分布し、その種類は1000以上とも言われています。デンドロビウム属には大きく分類して、ノビル系を中心としたグループと、日本や中国・韓国などに自生するセッコクに分類されます。
この記事では、ノビル系を中心とした洋蘭(洋ラン)に位置づけられるデンドロビウムと、セッコクとの違いを紹介します。
セッコクと、デンドロビウムの違いとは?
セッコクとデンドロビウムの違い①原産地と自生地の違い
ノビル系のデンドロビウムの自生地は広域であるのに対し、セッコクの自生地は日本、中国、朝鮮半島などに限定されています原産地と自生地は、ほぼ同じと考えて問題ありません。
セッコクとデンドロビウムの違い②バルブの形状の違い
ノビル系のデンドロビウムのバルブの形状は様々であるのに対し、セッコクのバルブは細長く、節がはっきりしています。
セッコクとデンドロビウムの違い③開花時期の違い
ノビル系のデンドロビウムには、一年を通して花を咲かせるものや、秋に花を咲かせるものなど、開花期が様々なのに対し、セッコクの開花期は3月~5月と決まっています。
セッコクとデンドロビウムの違い④耐寒性の違い
ノビル系のデンドロビウムは自生地が広域であるため、耐寒性が弱いものも存在するのに対し、セッコクは、日本の気候に適応しており、耐寒性が高いことが特徴です。
セッコクとデンドロビウムの違い⑤栽培の難易度
ノビル系のデンドロビウムには栽培が難しい品種もあるのに対し、セッコクは丈夫で育てやすく、気温5℃の環境を確保できれば、無加温で育てることができます。
その他デンドロビウムの主な系統
デンファレ系
デンファレ系のデンドロビウムは、丈夫で育てやすいですが、耐寒性は弱いので、冬は暖かい場所での管理が必要です。
ビギバムという原種を元に作られた系統で、胡蝶蘭に似た形状の花を咲かせることから、日本ではデンファレと呼ばれています。花色は豊富です。
フォルモサム系
フォルモサムという原種を元に作られた系統で、バルブに細かく黒いけがあるのが特徴です。花は大きく、芳香があります。穂状に多くの花が咲くので、豪華な印象です。比較的寒さに強く、育てやすい系統です。
キンギアナム系

カリスタ系

カリスタ系のデンビロウムは、一つの系統ではなく、複数の原種をまとめたグループの総称で、丈夫で育てやすいものが多いです。穂状に花がつき、花が下垂するのが特徴です。花色は白やピンク、黄色など様々で、鮮やかな色が多く華やかな印象です。
まとめ
デンドロビウムは大きな属ですので、多くの系統があります。株や葉、花の形状や咲き方、香りの有無や開花時期、耐寒性なども多様です。デンドロビウム属全般、丈夫で育てやすいものが多いです。好みや栽培環境に応じ、お気に入りの物を見つけて、園芸を楽しんでください。特にセッコクは日本の気候になじみやすく、初めての蘭栽培にもおすすめの種類です。