2025/01/16 11:21
着生蘭の一種のセッコクですが、様々な色の綺麗な花を咲かせます。それを期待して株を入手したものの、春になっても花が咲かない、、、なんてこともあります。この記事ではセッコクの花が咲かない主な5つの原因と対策をご紹介します。記事の中で鉢植えでのセッコクの育て方も改めて解説するので、是非ご確認ください。
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セッコクとはどんな植物?
セッコク(石斛)は、日本、中国、韓国などに広く自生している蘭科デンドロビウム属の着生蘭です。細長い茎と小さな葉を持ち、豊富な花色の花を咲かせるのが特徴です。
セッコクの花は香りが強く、開花時期は春から初夏にかけてです。
自然界では主に日当たりの良い場所や、適度に湿った環境に自生しており、半日陰の環境を好みます。セッコクの花が咲かない原因として考えられるのは、主に次の5つです。ご自宅のセッコクに当てはまるものはないか、株を観察し、当てはまるものがあれば、育て方を見直してみてください。
セッコクの花が咲かない原因①:日照不足

セッコクの花が咲かない原因として、まず考えられるのは日照不足です。セッコクの成長には光を必要とし、充分な光量が得られないと花芽形成の妨げとなり、結果として花が咲かないということになります。
屋外の明るい半日陰で管理し、充分な日照を確保することで花芽の形成が促され、花が咲きやすくなります。ただし、強すぎる直射日光は葉焼けの原因となり、株を傷めてしまうので、用心が必要です。
セッコクの花が咲かない原因②:冬季の温度管理の問題
セッコクが花芽を形成するには、冬季に5℃前後の低温環境に一定期間置くことが必要であり、冬の温度が高すぎると花芽が形成されず、開花しない原因となります。適切な花芽形成を促すためには、冬の間にしっかりと5℃前後の低温を経験させ、植物に休眠期を確保してあげることが重要です。気温が5℃前後になる時期は地域にもよりますが、その時期には屋外で管理することで、花芽の形成が期待できます。
セッコクの花が咲かない原因③:肥料の量と与えるタイミング
肥料の量や与えるタイミングも、花が咲かない原因になりえます。成長のためにある程度の肥料は必要ですが、肥料が多すぎると栄養が過剰になり、秋以降の花芽形成を妨げることがあります。その結果、花が咲かない原因になることもあるため注意が必要です。
生育期に与える肥料は、過多にならないよう、固形肥料は少なめ、液体肥料は薄めを心がけることが大切です。秋以降は肥料を与えないことが、花芽を形成させるポイントです。
セッコクの花が咲かない原因④:根詰まりや根腐れ

*画像は根詰まりのイメージです。
根詰まりや根腐れも、花が咲かない原因となります。
根詰まりとは、鉢内で根が過密になっている状態で、水や栄養分、酸素が充分に行き渡りにくくなります。根腐れの主な原因は湿度の過多ですが、根詰まりで水分が停滞することで起こる可能性もあります。予防のためには、定期的に根の状態をチェックすることが大切です。
セッコクの花が咲かない原因⑤:古く通気性が悪い植え込み材を使用している
古くなって通気性が悪くなった植え込み材を使用している場合、根が健全でないことが原因で花が咲かないことがあります。植え替えの目安は2年に一度が最適です。植え替えには新しい植え込み材を使用し、古いものを取り除くことにより、根が充分な酸素と栄養を吸収できる環境を整えることができ、花を咲かせる力が高まります。
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セッコクの基本的な育て方5つのポイント
改めて、セッコクの花を咲かせる基本的な育て方を確認してみましょう。
セッコクの花を咲かせる基本的な育て方①:生育に適した場所で管理する
セッコクの株を充実させ、花を咲かせる力を持たせるには、生育に適した場所で管理することが大切です。
セッコクの置き場所には、風通しのいい、明るい半日陰が適しており、朝陽が当たり、午後からは少し影になる東向きは理想的な場所と言えます。夏の強い直射日光には注意が必要なので、影めの場所で管理したり、遮光ネットの使用がおすすめです。
セッコクの花を咲かせる基本的な育て方②:5℃前後の気温をある程度の期間経験させる
セッコクの花芽は、5℃前後の気温をある程度の期間経験することでつきやすくなります。
冬季の気温が高いと、花芽の形成が妨げられます。
花芽形成のための条件を自然に満たすためには、屋外での管理が適しています。
セッコクは丈夫な植物なので、5℃以下の気温になっても枯れることはあまりありません。
春に花を咲かせるために、屋外での管理をおすすめします。
セッコクの花を咲かせる基本的な育て方③:肥料の与え方とタイミングを工夫する
花を咲かせるための育て方には、肥料の与え方とタイミングがポイントになります。
セッコクは、多くの肥料を必要とせず、肥料の与え過ぎによって栄養分が過多になると花芽の形成が妨げられることがあるので固形肥料、液体肥料共に少なめを心がけることが大切です。
秋以降の肥料は与えないことが、春に花を咲かせるために大切なポイントです。
セッコクの花を咲かせる基本的な育て方④:株分けを行う
根を健全に保つために、根が過密になっていれば株分けを行います。
健康な根を残し、3本以上の茎があるよう分けるのがポイントです。
切り口を乾かし、新しい植え込み材で植え、2~3日ほど水は控えます。株分けをすることで根腐れの予防にもなります。
既に根腐れを起こしている場合は、傷んだ根を除去し、新しい植え込み材に植え、新しい根が出るまで水をひかえめに管理してください。
セッコクの花を咲かせる基本的な育て方⑤:適切な植え替えをする
古くなった植え込み材は通気性が悪くなり、根に充分な酸素と栄養が行き届かなくなったり、吸水性が悪くなり、根の生長を妨げたりと、根のトラブルの原因になります。
根や株を健康に保つためには、適切な植え替えが必要です。植え替えの目安は2年に一度、春か秋が適期です。古い植え込み材を除去し、根の状態をチェックしてから新しい植え込み材で植え付けてください。
まとめ:セッコクを楽しむために育て方を見直そう

セッコクの魅力は、コンパクトな株姿と、春に咲く香り高い花にあります。
丈夫で育てやすい植物ですが、株を充実させ、花を咲かせる力を高めるには、基本の育て方を守ることが大切です。
ポイントは、
①充分な光量の確保 屋外で育てること。
②冬季に、5℃前後の気温を一定期間経験させること。
③肥料の与え過ぎに注意 秋以降は与えないこと。
④根の状態を定期的にチェックし、トラブルを予防すること。
⑤定期的に植え替えを行い、根の健康を保つこと。
以上のポイントを守り、花を楽しんでください。それでもトラブルが続く場合は、専門家に相談することをおすすめします。
セッコクは基本を守ることで咲かせやすい植物ですが、気候などの条件によっては咲かないこともあります。自然のものであることを理解し、咲かない年があってもいいぐらいのゆとりを持った気持ちで、栽培を楽しんでください。
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